実印って何?
実印とは、あらかじめ市町村役場や区役所で印鑑登録して、印鑑証明の交付を受けられる印鑑のことを言います。
一般的にはフルネームで作成しますが、名字だけ、名前だけの人もいます。
また、実印が必要な書類には以下のようなものがあります。
・公正証書の作成(契約書、金銭消費賃借証書、遺言状など)
・保険金や保証金の受け取り、不動産の売買、抵当権設定
・法人の発起人になるとき
・官公庁での諸手続き
・自動車の取引
・遺産相続
実印って変更できるの?
実印の変更は何度でもできます。 また、実印を変更しても今までの契約関係には一切影響はありません。 その理由は、実印の捺印はあくまでも、本人の同一性を公的に証明するだけなので実印が変わっても、本人が意思を持って契約した以上、契約内容・効果が変わることはないからです。
どんな印鑑でも印鑑登録ってできるの?
市町村により多少違いはありますが、登録できる印鑑の条件は以下のとおりです。
・住民登録と同じ氏名のもの
・印面の直径が8mm以上24mm以内の大きさのもの
・ゴム、プラスチックなど変形しやすいもの、欠けやすいものは、断られる場合が多い
・特殊な書体で読みにくいものや、三文判といわれる既製品も、断られる場合が多い
家族で実印を共有することはできないの?
実印は一個人を証明するための物なので、家族で1本の実印を共有する事はできません。 登録する際に分からなければ良いと思うかもしれませんが、1本で複数の人に使うのは大変危険です。 自分自身のセキュリティーのためにも共有はやめましょう。
実印と銀行印って兼用できないの?
実印と銀行印は兼用できますが、あまりお勧めできません。
と言うのは、もしその印鑑を紛失してしまった場合、実印と銀行印を両方失う事になるからです。
銀行印を紛失した場合、本人確認のために実印の提示を求められることがあります。
しかし、その実印も無いわけですから、困ってしまいます。
また、銀行印は外に持って出ることが多いので、安全面でも使い分けることをお勧めします。
家族で銀行印を共有することはできないの?
共有はできますが、注意が必要です。 金融機関が破綻した場合、ペイオフにより一千万円までの預金とその利子は保証されますが、家族で同じ印鑑を使っていた場合、同じ人の預金と見なされる可能性があり、その場合は一名分の預金・利子しか保証の対象にならないからです。 また、場合によっては贈与税の対象となってしまうこともあります。
印鑑を紛失してしまった場合、どうすれば良いの?
印鑑(実印・銀行印)を紛失した場合には、他人の手に渡ってしまうと非常に危険なので、直ちにその印鑑の効力を失わせる必要があります。 紛失に気付いたらすぐに、市町村役場や区役所、または登記所にその旨を届け出て、そしてさらに改印届を提出します。 紛失された印鑑が銀行印だった場合には、事故届を提出すると同時に改印届を提出し、紛失した印による銀行取引などが行われないようにする必要があります。